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【資金繰り計画】資金繰り表と損益に差が出る要因・資金繰りが悪化する要因は?

更新日:2月23日


窓の外を見ている男性

健全な経営を実現する上で欠かせないのが、資金繰り計画です。

資金繰り表を作成することによって現在すぐに使える資金を可視化できるため、黒字倒産を回避することが可能です。この記事では、資金繰り計画の重要性と、資金繰り表と損益に差が出る要因・資金繰りが悪化する要因について解説していきます。

 



資金繰りとは

資金繰りとは、企業や事業が日々の営業活動に必要な資金を確保し、その資金を適切に管理・運用することです。

資金繰りの目的は、現金収支の過不足を調整して、事業を円滑に行うことです。資金繰りがうまくいかないと、給与や取引先への支払いが滞り、倒産の危機に陥る可能性があります。

資金繰りと似た言葉にキャッシュフローがありますが、キャッシュフローは過去のお金の動きを分析するのに対し、資金繰りは未来のお金の流れを予測します。


資金繰り

常に手元に資金を確保できるよう、企業の収支を管理すること

キャッシュフロー

事業における「すでに生じた資金」の流れのこと




【資金繰り計画】資金繰り表と損益に差が出る要因・資金繰りが悪化する要因は?






パソコンで議論する人


資金繰り表はなぜ必要か

  • 資金不足になるかどうかを見極める

  • 起業時に経営可能な事業内容か確認できる

  • 適切な経営判断のための材料

  • 信用力向上




資金不足になるかどうかを見極める

資金繰り表を作成することで、将来の資金の状況を予測して、資金不足に陥らないかどうかを見極め、資金不足になる前に対策を打つことができます。黒字倒産という言葉がありますが、売上が急激に伸びたために、仕入資金が増えていき、仕入支払と売上代金の回収のタイムラグによって発生するのが黒字倒産です。資金繰り表をつけていくことで、黒字倒産を回避することができます。





起業時に経営可能な事業内容か確認できる

会社をスタートするときに、想定している事業・営業内容で経営が可能かどうかの判断に使えます。毎月どのくらいの経費がかかり、その経費をまかなうために、どのくらいの売上がいつまでに必要なのかを予測することができたり、当初の販売価格の設定が適正かどうかの判断をしたりすることも可能です。





適切な経営判断のための材料

会社を経営していくにあたって、従業員を増やすかどうか、新しい設備を導入するかどうかなどを判断しなければいけない場面が多々あります。

この場合、経営者の感覚だけだと判断をあやまり、資金不足になりかねません。

資金繰り表を作成しておけば将来の資金繰りの状態を把握することができます。





信用力向上

金融機関から融資を受ける場合は、日頃から資金繰り表を作成しておくことによって信用力向上につながる可能性があります。





資金繰り表と損益に差が出る要因

  • 借入金の返済

  • 在庫のズレ

  • 引当金の処理

  • 設備投資の計上



借入金の返済

借入金を返済した場合、資金繰り表と損益計画書に差が生じます。

それは、経費に計上できるのは利息部分だけだからです。

借りた金額は損益計画書には表示されず、資金繰り表に表示されるためズレが生じます。





在庫のズレ

在庫のズレも、資金繰り表と損益計画書に差が出る要因です。

商品を仕入れて販売する場合、在庫が経費に計上されるのは販売後です。

まだ在庫として残っている場合は、資金は減っているものの経費として形状されていない状態です。つまり、仕入れの時期と経費になる時期には差が生じるため、結果として資金繰り表と損益計画書に差が生じてしまいます。





引当金の処理

引当金とは、将来発生する費用の支出や損失に備えて、あらかじめ当期の費用として繰り入れて準備しておく見積り金額のことです。

取引先が倒産に追い込まれている場合は売掛金が入金されない可能性があるため、貸倒引当金として計上します。

引当金は経費として計上されますが、実際に資金が動いたわけではないため、資金繰り表には反映されずズレが生じます。





設備投資の計上

設備投資をした場合、代金の支払いによって資金が減りますが、全額を費用計上することはできません。購入した設備は、減価償却で会計処理を行わないといけないからです。

減価償却とは、長期間にわたって使用する資産の購入代金を何年かに分けて経費計上することです。資金繰り表では設備費用の全額を記載するため、損益計画書とズレが生じます。





資金繰りが悪化する要因

  • 赤字経営の継続

  • 売掛金回収の遅延

  • 急激な売上増減

  • 在庫管理が上手くいっていない

  • 資金繰りの管理が不十分

  • 取引先の倒産




赤字経営の継続

赤字経営とは、収入が支出を下回っている経営状態のことです。一時的な赤字であれば問題はありませんが、長期におよぶ赤字経営の場合、手元の資金が底をつき資金繰りの悪化に繋がります。金融機関から融資を受けることができれば回避できるかもしれませんが、赤字経営だと返済能力がないと判断されてしまい、断られる可能性があります。





売掛金回収の遅延

売掛金が未回収の場合、売上は出ていてもまだ売上が手元にはない状態です。そのため、売掛金の回収業務が遅延してしまうと、入金と支払いのタイミングにずれが生じ、黒字倒産に陥る場合もあります。売掛金の未入金は放置せず、早めに催促して入金してもらうことが大切です。





急激な売上増減

急激な売上の減少は資金繰りの悪化に繋がります。売上減少の要因は、自社内に限らず、取引先の経営事情や世の中の経済情勢などの外部にあるケースなどさまざまです。

反対に、急激な売上の増加に関しても資金繰りの悪化の原因になり得ます。多くの注文や契約がある場合、それに伴う仕入れなどが必要です。そのため、帳簿上で急激な売上が上がっていても、仕入れ額を支払うタイミングによっては資金不足になるでしょう。





在庫管理が上手くいっていない

在庫を抱えてしまうと、その分の利益が出ません。

過剰に在庫を抱えてしまった場合は、さらに損失が大きくなってしまうでしょう。

保管にもコストがかかり、資金繰りの悪化を招きます。





資金繰りの管理が不十分

資金繰りが管理できていないと、手元の資金が不足していることに気づかない可能性があります。売上や利益だけを重視せず、いつ、いくら支払いが必要なのかなども確認することが大切です。





取引先の倒産

取引先が何かしらの理由で売掛金を支払えない状態になってしまうと、貸し倒れが発生し資金繰りの急激な悪化に繋がります。貸し倒れが増えていくと、商品・サービス提供時のコストだけがかかり自社の倒産につながる恐れもあります。

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