
組織開発とは
組織開発とは、組織内の人と人の関係性や部署間の関係性へ働きかけ、組織を活性化し、組織全体のパフォーマンスを上げていく取り組みです。組織が抱えている問題を明らかにし、解決策を考え実行します。
行動科学の理論を援用する
組織のプロセスに対して改善するための働きかけを画策する
このような行動を起こし、組織を健全化して当事者たちの協調性を高めていきます。
人材開発とは
人材開発とは、全従業員を対象とした能力開発のことを指し、組織の力を高めていくことに重点が置かれる取り組みです。
人材育成が主に若手社員などを対象としている点と異なり、全社的な取り組みとなることに特徴があります。
個々の従業員の特性や課題を把握しながら、組織全体としてのパフォーマンスを高めていくのが人材開発です。
社内研修
キャリア開発
外部の有識者らを招いた講座
実習や実演
OJT(On the Job Training)など
組織開発とは?目的と人材開発との違いを解説

組織開発の目的
組織の健全性を高める
組織の生産性を高める
組織を外部に適応させる
組織の健全性を高める
組織の健全性とは、ワークライフバランスの質、社員同士の関係性の質、個人間やグループ間の最適な権力バランス、モチベーションの高さなどと関係しています。これらの要素が良好な状態にすることによって、個人と組織が密接に繋がり、社員は高いエンゲージメントで仕事に取り組むことができます。
組織開発によって組織の健全性を高めることで、組織の持続的な成長や、競争優位性の維持に繋がります。
組織の生産性を高める
組織開発は、一人ひとりの社員はもちろん部署やチーム単位でのパフォーマンスが最大化する状態をつくり、組織全体の生産性向上を目的とします。
各社員の能力が、部署やチームになった際に相乗効果で発揮される状態が理想です。
組織を外部に適応させる
組織内部の健全性と生産性が最大化されていても、外部環境に適応していなければ組織としての発展は望めません。外部環境には、事業環境・労働環境・法律や文化などその他の環境があります。
昨今ITやコミュニケーションツールの発達により、外部から組織としての意思決定を求められるスピードも高まっています。一方で自社の申請および承認経路が複雑であれば、それだけ対応が遅れてしまいます。こうした状況を解消し、外部環境に組織を適応させていくことも組織開発の目的です。
人材開発の目的
従業員のスキルや専門性の開発・向上
ビジネスマインドの惹起
組織に対する帰属意識の向上
従業員のスキルや専門性の開発・向上
人材開発の重要な目的として、従業員のスキルや専門性の開発・向上が挙げられます。
スキルや専門性を開発・向上させることで、従業員が業務を効率的に遂行するために必要な能力を高められるからです。結果的に、組織全体の生産性やパフォーマンスの向上が期待できます。
それにより、従業員のモチベーションや満足度を高めることも可能です。従業員の離職率を低下させ、組織の人材確保と維持につながります。
ビジネスマインドの惹起
人材開発の目的として、従業員のビジネスマインドを惹起させることも挙げられます。
仕事に対する正しい考え方や姿勢・態度を身につけることで、従業員が自己の職務に責任感を持つことにつながるからです。顧客やステークホルダーと良好な関係を築き、プロフェッショナルな行動が取れる人材の開発ができることでしょう。
組織に対する帰属意識の向上
人材開発の目的として、従業員の組織に対する帰属意識を向上させることも挙げられます。
自分自身が会社組織の一員であると感じ、満足感・信頼感・愛着などを実感することで、従業員のモチベーションが高まるからです。自社で働き続けたいと考えるようになるため、離職率の低下につなげられます。
帰属意識が高まると、従業員は組織の一員として貢献したいと感じ、主体的に人間関係を構築しようとします。その結果、コミュニケーションの機会が増え、業務の効率化や生産性の向上につなげることも可能です。

組織開発と人材開発の違い
ターゲット・目的の違い
組織開発
組織開発は、組織全体の機能や仕組み、人間関係、文化などの改善を目的としておこなわれます。組織全体に目を向け、よりよい組織文化の構築や生産性向上、組織の持続的な成長を目指すことが組織開発です。
人材開発
人材開発は、社員個人のスキルや知識の習得、モチベーションを上げることにより、一人ひとりの業務生産性の向上、ひいては組織全体の業績向上に寄与させることを目的としています。社員一人ひとりに目を向け、必要なスキルや能力を伸ばすことで、個人の成長を目指すのが人材開発です。
アプローチ方法の違い
組織開発
組織開発は、業務フローの改善や意識改革、組織内でのコミュニケーション改善、チーム内の関係性強化、組織構造の最適化といったアプローチをおこないます。
具体的には、社員の働く意欲を向上させるために評価制度や配属の検討方法を改善したり、異動者や新入社員の組織適応を早めるためのオンボーディングやチームビルディングをおこなったりする取り組みが組織開発にあたります。
人材開発
人材開発は、社内研修やキャリア開発、セミナー、OJTなどを通じて、社員が業務上必要な知識を直接習得するなど、個人の能力を向上させるアプローチをおこないます。新入社員の社会人スキルを磨くために実施する研修などは、人材開発にあたります。
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