
租税公課とは
租税公課とは、国や地方に納める税金(租税)と、公共団体へ納める会費や罰金など(公課)を合わせた勘定科目です。
租税公課はすべてが必要経費として認められるわけではありません。
租税とは
租税とは、国や地方公共団体に納付する税金の総称です。「租税」と「税金」に意味に違いはありません。
公課とは
公課とは、租税以外に国や地方公共団体が徴収する手数料、罰金等のほか、その他公共団体へ納める会費等を含めた総称です。
租税公課の仕訳方法と会計処理をする際の注意点を解説

租税公課の仕訳方法
租税公課の仕訳方法は、基本的に他の費用の勘定科目と同じです。例えば、固定資産税2
0万円の納付書を受け取り、預金口座振替で支払った場合の仕訳。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
租税公課 | 200,000円 | 普通預金 | 200,000円 |
契約書に現金で購入した2万円分の印紙を貼付するため、印紙税を支払った場合。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
租税公課 | 20,000円 | 現金 | 20,000円 |
租税公課の仕訳で注意が必要なケース
税込方式で仕訳している場合の消費税の処理
課税取引など消費税がかかわる仕訳の仕方には、税込方式と税抜方式があります。税込方式は、日々の仕訳では税込価格で記帳し、決算時期に申告納税した事業年度の租税公課をまとめて損金に算入する方法です。
掛け取引での仕入れが税込1万1,000円だった場合の仕訳。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
仕入高 | 11,000円 | 買掛金 | 11,000円 |
この後、決算時期に預かった消費税額と支払った消費税額の差額を計算し、この事業年度で支払う消費税額を確定します。
支払う消費税額が50万円と確定し、現金で納付した場合。
消費税額が確定した時点 | |||
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
租税公課 | 500,000円 | 未払消費税 | 500,000円 |
現金で納税した時点 | |||
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
未払消費税 | 500,000円 | 現金 | 500,000円 |
消費税抜方式では、受け取った消費税を仮受消費税(負債)、支払った消費税を仮払消費税(資産)として処理し、費用科目である租税公課は使いません。
掛け取引での仕入れが税込1万1,000円だった場合の仕訳。
借方科目 | 借方金額 | 借方金額 | 貸方金額 |
仕入高 | 10,000円 | 買掛金 | 11,000円 |
仮払消費税 | 1,000円 |

租税公課の会計処理をする際の注意点
損金の算入ができない租税公課もある
損金は法人税法上で扱われるもので、会計上で使われる経費とは異なります。法人であれば経費を課税所得金額から差し引けますが、損金の算入も認められています。租税公課も損金として算入することは可能ですが、すべての租税公課を損金として算入できるわけではないので注意が必要です。
損金の算入ができない項目
法人税、地方法人税、都道府県民税、市町村民税などの本税
各種加算税や加算金
延滞税、延滞金、過怠税
罰金や過料
法人税から控除する所得税、復興特別所得税、外国法人税
損金算入の時期は納税の方式によって異なる
損金算入の時期を知る前に、法人税法上における債務確定主義と考え方を知っておくことも大切です。債務確定主義とは、法人が事業を行っていく上で欠かせない販売費・一般管理費について、損金算入させるために必要な考え方で債務の確定が必要条件です。
債務が確定するには下記のすべてに当てはまっている必要があります
当該事業年度が終わる日まで当該費用にかかる債務が成立している
当該事業年度が終わる日までに具体的な給付をすべき原因が発生している
当該事業年度が終わる前に、その金額を合理的に算定できる
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