
売上高経常利益率とは
売上高営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合を示す指標です。営業利益は、本業から得られる利益の大きさを示しています。営業利益は、企業が本業で得た売上から売上原価、販売費および一般管理費など営業に関連する費用を差し引いて算出されます。
要するに、売上高営業利益率は、企業が売上から得た利益に対し、本業でどのくらい利益が出ているかを示す指標です。売上高営業利益率が高いほど収益性が高く、逆に低いほど経費がかかりすぎて利益が出にくい状況といえます。
売上高経常利益率の分析方法と改善・向上させる方法を解説

売上高経常利益率の分析方法
経営に売上高経常利益率による分析をするならば、比較対象により確認できることは違ってくることを理解しておきましょう。
売上高経常利益率を経営に生かす分析方法
損益計算書の他項目と比較する
損益計画と比較する
前年度の業績と比較する
同業他社と比較する
損益計算書の他項目と比較する
当期の損益計算書を使って、他項目と比較する方法です。
売上高や費用と比較、照合しながら分析を行いますが、売上高営業利益率と比較することもこの方法に含まれます。売上高営業利益率と売上高経常利益率を比べることにより、本業で得た利益率や全体の収益性の比較ができます。
他の項目との比較では、どの利益を多く生むことができたか確認でき、経営戦略を立てたり改善させたりといったことにつなげることが可能です。
損益計画と比較する
当期の損益計画と比べる方法であり、予算と実際の数字を比較すれば、利益の問題部分の洗い出しもできます。
売上高経常利益率やその他利益率も算出しておけば、比較、分析をスムーズに行うことができるます。
前年度の業績と比較する
前年度の業績と比較する方法では、推移など確認することで変動理由について細かく分析ができます。1年という大きなくくりではなく、半期や四半期など、期間ごとに詳細を比較していければ推移をたどりやすくなります。
同業他社と比較する
売上高経常利益率は同業他社の比較をすれば、自社の収益率がどの程度か確認できます。
売上高経常利益率は財務諸表で確認できるため、競合他社の財務諸表から売上高経常利益率やその他利益率を確認し、自社の数値と比較して経営戦略を立てていくとよいでしょう。

売上経常利益率を改善・向上させる方法
売上高を増加させる
営業外収益を増加させる
営業外費用を減少させる
売上原価を減少させる
販管費を減少させる
売上高を増加させる
売上高を増加させることができるか検討してみましょう。
ほとんどの場合、売上高は単価×数量に分けて考えることができます。単価と数量の実績の推移、予算や他社との比較を行い、トレンドをつかんだ上で単価と数量のどちらを増加させる余地があるのか検討します。
検討の結果、増加の余地がないのであれば新規事業を立ち上げる、もしくはM&Aといった大がかりな戦略・施策を検討することも視野に入れてみましょう。
営業外収益を増加させる
経常利益を高めるため、営業利益を高めて営業外収益を増やすことが必要です。
できる限り余剰資金で業績良好な株式に投資するなど、有利な運用で財務力を強化させることなどを検討しましょう。
営業外費用を減少させる
財政状態が脆弱なのに借入金に対する利息負担が大きい場合など、営業利益の多くが営業外費用に消えるため経常利益を残すことができなくなります。
さらに、運転資金や投資資金が足らなくなるといったリスクも抱えます。
本業で生み出す余剰資金の範囲で返済資金を捻出できるように、低金利融資への借り換えや繰り上げ返済などの対策が必要です。
売上原価を減少させる
売上原価には、モノやサービスを生み出すために直接必要なコストが計上されます。
仕入れた原材料の材料費、製造・開発・提供に関わる人員の人件費や水道光熱費などです。これらを減少させる施策を検討しましょう。
販管費を減少させる
販売費及び一般管理費には、販売や管理に必要なコストが計上されます。
営業部門や間接部門の人件費、マーケティング、営業活動に要した広告宣伝費、旅費交通費、オフィス賃料や水道光熱費、などの諸経費が該当します。
これらのコストカット施策としては、人員の再配置・再構築、業務フローや販促施策の見直し、オフィスの統廃合や移転などが考えられます。
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