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与信調査とは?企業の与信調査の種類とその特徴をわかりやすく解説

更新日:2月23日


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与信調査は企業のリスク管理において大切なものです。しかし、具体的にどのようなもので、どのような方法により行われるものなのかを理解できていない人もいることでしょう。

そこで、この記事では、与信調査とはどのような調査をいうのか、そして与信調査の種類とその特徴を解説していきます。

 



与信調査とは?企業の与信調査の種類とその特徴をわかりやすく解説

与信調査とは、企業が取引を行う相手の信用度や財務状況を評価するための調査です。

企業間取引においては、サービス提供後に代金を受け取る「掛取引」が一般的ですが、相手の経済状況が不明確だと未回収リスクが高まります。

与信調査を実施することで、取引先の財務状況や経営状態を把握し、リスクを最小限に抑えられます。




与信調査の必要性



  • 相手企業の信用度を調べるため


取引相手が信用できる企業なのか調べるために、与信調査を実施します。支払い能力が十分にある企業と取引しても、必ずしも期限までに代金が支払われるとは限りません。

期限までに代金が支払われないと、他社への支払いが遅れるなどキャッシュフローが悪化することがあります。自社の信用度が低くなる可能性があるだけでなく、手元資金が不足して取引の機会を失うことにもなりかねません。

潤滑なキャッシュフローを維持し、資金繰りによるトラブルを回避するためにも、取引相手が支払い期限を守る、信用できる企業なのか調べることが必要です。




  • 相手企業の支払い能力を調べるため


支払い能力は、常に変化しています。取引を開始したときには十分な支払い能力があったとしても、経営不振などにより資金繰りが悪化し、取引代金の支払いが難しくなるかもしれません。

相手企業の支払い能力を定期的に調査することで、安心して取引できるようになります。相手企業の収入が安定しているか、取引代金を無理なく支払えるのか調べておきましょう。





企業の与信調査の種類と特徴


ビジネス相談

与信調査の方法は、社内調査、直接調査、外部調査、依頼調査の4種類があります。これらの調査を組み合わせることで包括的で信用性の高い情報を得られ、取引先に対する評価の精度を向上できます。ここからは、それぞれの調査方法、特徴やメリット・デメリットを解説します。



  • 社内調査

  • 直接調査

  • 外部調査

  • 依頼調査




社内調査

社内調査は内部調査とも呼ばれ、本格的な与信調査を始める前に可能な限り自社内の調査を行うものです。過去に取引をしたことがある企業であれば、取引をした当時に遡って取引履歴や取引資料を紐解くことで信用情報を収集できます。



メリット


  • 自社との取引に直結した情報が得られる

  • コストがかからない

  • 自社との取引に直結した情報が得られる



デメリット


  • 情報が限定的または偏っている場合がある

  • 情報の客観性に欠ける場合がある

  • 新規取引先の場合は情報が不足する




直接調査

直接調査は、取引前に相手のオフィスや工場などを訪問し、直接的に確認する与信調査です。企業や社員の雰囲気、設備や在庫の状況などを確認でき、資料だけでは把握しきれない情報を得られるでしょう。取引実績のある会社の場合は、取引先の担当者に経営状況を聞き出せる貴重な機会となります。

一方で、取引先の中には会社訪問に消極的な姿勢の企業もあるため、場合によっては電話やメールを使って調査することもあります。



メリット


  • 経営者の人柄や経営方針など数字には表れない情報も得られる

  • 財務諸表や事業計画など最新の情報を入手できる

  • 取引先との直接のコミュニケーションにより信頼関係を構築できる



デメリット


  • 時間と労力がかかる

  • 相手企業の協力が得られない場合、十分な情報が得られないことがある

  • 調査担当者の経験や能力によって、得られる情報の質に差が出る可能性がある




外部調査

外部調査は、大きく3つの方法に分類されます。



1.官公庁調査


法務局では商業登記簿と不動産登記簿を閲覧できます。たとえば、商業登記簿をチェックすれば、商号や本店所在地の変更の頻度から、過去の不祥事を隠蔽している可能性や支払いの滞納の経緯などを調べることが可能です。

さらに、資本金の増減から経営業況をチェックしたり、取引先の債権保全に利用されることもある債権譲渡や質権設定、動産譲渡などの登記設定を確認したりもできます。また、不動産登記簿は所有権の取得や移転、抵当権の状況などを見ることができ、経営状況や取引姿勢をうかがうこともできる貴重な情報源です。


2.検索調査


インターネットを利用してウェブサイトの閲覧や企業情報データベースの検索を行う検索調査。取引先の公式ホームページなどで公開している決算報告、IR情報などは大事な調査資料となります。また、役員などの頻繁な人事異動がないか、就職情報サイトなどの情報がホームページの内容とずれていないかといった点をチェックするのも方法です。調査対象の企業名や代表者の名前を検索サイトに入力するだけで、インターネット上にはたくさんの情報が出てきます。


3.側面調査


直接企業へ訪問して調べた情報が実際に正しい内容であるかを確認するための調査で、裏付け調査とも呼ばれます。

情報源となるのは、たとえば、調査対象企業が取引しているほかの企業や銀行、住所を置いているビルのオーナーなどです。調べる際には、信ぴょう性の高い情報を提供してくれる情報先を上手に選ぶ必要があります。





依頼調査

自社による調査では十分に与信調査ができないと判断したときに選択する方法が依頼調査です。第三者に調査を依頼する方法で、大きく分けて照会調査と依頼調査の2種類があります。照会調査は、取引先や取引先の関係先などに対して取引の情報や経営内容について照会を行う方法です。依頼調査は、企業調査を専門的に行っている調査会社に調査を依頼する方法をいいます。

これらの方法では、情報が正確であるかを確認できるほか、直接調査では集められない情報を得ることも可能です。ただし、やり方によっては、企業の情報交換だけにとどまってしまう場合もあるため気を付けなければなりません。



メリット


  • 専門的かつ詳細な調査が可能

  • 客観的な評価が得られる

  • 自社のリソースを節約できる



デメリット


  • 調査結果の入手に時間がかかる

  • 調査会社によって情報の質にばらつきがある

  • 高コストになる場合がある

  • 情報が外部に漏洩するリスクがある





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