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【NPO法人】設立方法、設立するメリット・デメリットを解説


ビジネスミーティング


NPO法人とは

NPO(Non-Profit Organization)法人とは特定非営利活動促進法に基づいて設立された法人のことを指します。特定非営利活動とは、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動のことです。特定非営利活動促進法は、非営利活動の中でも、社会貢献活動の発展を推し進める目的で施行されました。

2021年6月には改正NPO法が施行され、収益基盤の強化や認定制度の見直し、提出書類の削減などが行われました。こうした優遇措置の制定や制限緩和を背景に、NPO法人数は5万件を越え、多くのNPO法人が活動範囲を国内外に広げています。


 


【NPO法人】設立方法、設立するメリット・デメリットを解説




 


パソコン作業をしている男性


NPO法人の設立方法

  1. 活動分野を確認する

  2. 設立発起人会を開催する

  3. 設立総会を開催する

  4. 設立認証を申請する

  5. 法人設立の登記申請手続きを行う

  6. 法人設立の届け出を行う


 


1.活動分野を確認する

NPO法人が活動できる分野は、特定非営利活動で定められている20項目のみです。申請する前に、活動分野が20項目に該当するかどうかを確認することが必要です。20項目すべてに該当する必要はありません。1つでも該当していれば、NPO法人の申請手続きを行う要件は満たしていることとなります。





2.設立発起人会を開催する

設立発起人とは、設立する人たちのことを指します。設立発起人会を開催し、設立するNPO法人の基本的な部分を決定します。



主な決定事項


  • 設立の趣旨

  • 活動目的

  • 法人名

  • 代表者

  • 主たる事務所

  • 事業年度

  • 設立までのスケジュール

  • 入会金や会費




3.設立総会を開催する

設立準備会で必要な事項を決定したら、NPO法人の設立総会を開催します。設立総会の開催には、社員となる人全員の参加が必要です。設立総会では、定款の承認や役員の選任など、設立準備会で決めた事項の最終的な会議を行います。

設立総会の会議で重要なのは議事録の作成です。NPO法人の設立認証申請書に議事録のコピー(謄本)を添付する必要があります。





4.設立認証を申請する

事務所設置場所を所管する所轄庁に、設立認証の申請を行います。申請時には設立認証申請書や定款、設立総会議事録、役員名簿、事業計画書、活動予算書などの提出が必要です。

提出先の所轄庁のホームページを確認しながら、不備がないよう書類をそろえておきましょう。





5.法人設立の登記申請手続きを行う

認証されると、所轄庁から認証書が届きます。交付されてから2週間以内に管轄する法務局でNPO法人設立登記申請の手続きを行います。



設立登記申請を行う際に必要なもの


  • NPO法人の印鑑

  • NPO法人の印鑑届出

  • 定款

  • 宣誓書

  • 理事の就任承諾書

  • 設立時の財産目録

  • 代表者個人の印鑑証明書




6.法人設立の届け出を行う

設立登記の申請手続きが完了したら、所轄庁へ法人設立の届け出を行います。ここまで完了して、NPO法人の設立となります。

認証を受けてから6ヵ月以上設立登記を行わない場合、認証が取り消されるため注意しましょう。


 


ロビー


NPO法人を設立するメリット

  • 株式会社よりも設立費用が安い

  • 社会的信用が高い

  • 減税や免税の対象となる

  • 人材を雇い入れやすい

  • 公的機関との事業連携が容易


 


株式会社よりも設立費用が安い

NPO法人を設立するにあたって、出資金や最低資本金などの決まりは存在しません。そのため、十分な資金や財産がない場合でも設立できるのがメリットです。登録免許税法の対象外であるため、設立にあたってかかる費用は印鑑作成費用や住民票請求費用、そのほか手続きに関する交通費通信費程度です。定款認証代、収入印紙代、登録免許税などが不要なため、設立のためにさまざまな費用が必要な株式会社に比べると、設立費用を安く抑えられます。





社会的信用が高い

NPO法人には情報公開の義務があります。役員名簿や定款、毎年の事業報告書などが都道府県庁や内閣府のホームページ上で公開されています。どれも法人運営の健全性を示す書類であることにより、社会的信用が高くなります。





減税や免税の対象となる

NPO法人は、社会的利益を目的とする団体であるため、税制上の優遇措置を受けることができます。特定非営利活動に分類される事業で得た収益は、法人税の課税対象外です。

また、NPO法人の主な収入源である会費や寄付金なども、一定の要件を満たせば税制上の優遇措置を受けることができます。





人材を雇い入れやすい

NPO法人は活動を行うために必要な人材を雇用できます。社会的に信用が高ければ、人材は集まりやすくなるものです。組織が大きくなれば、全国に展開して事業規模を拡大することも可能です。

NPO法人は一般企業と同様、厚生年金や雇用保険、健康保険などへの加入もできます。社員として雇用できるため、ボランティアに頼らない組織をつくれます。





公的機関との事業連携が容易

国や地方公共団体などの公共機関では、福祉関係を中心とした事業委託が増加傾向にあります。業務委託による人材や事業の拡充が図られ、事業分野で重なる部分が多いNPO法人との連携が重要視されています。そのため、NPO法人は公的機関との業務連携がしやすくなっています。


 


NPO法人を設立するデメリット

  • 活動内容に制限がある

  • 事務処理に手間がかかる

  • 事業報告義務がある


 


活動内容に制限がある

NPO法人の活動内容は、特定非営利活動によって制限されています。不特定多数の利益につながる分野に指定されるため、環境保全や災害救護、観光の振興といった活動に限定されます。

申請時には、特定非営利活動を主業務としている旨を記載した定款や事業計画書などの提出が必要です。公的機関や民間団体から助成金や補助金が支給されることもあるため、公益性があるかどうかの厳しいチェックがあります。





事務処理に手間がかかる

NPO法人は、事業年度ごとに1回、所轄庁に事業報告書と収支計算書・社員名簿を提出することが求められます。

また、NPO法人が収益事業を行う場合は、収益事業とそれ以外を区分して会計処理を行う必要があり、一般的な企業会計とは異なる独特な税務処理が必要です。利益が残る場合は法人税や法人住民税の対象となることがあり、免除制度を利用するためにはさらに申請作業が発生するなど、税務処理に手間がかかるというデメリットがあります。





事業報告義務がある

NPO法人は毎年、事業年度開始から3ヵ月以内に事業報告書の作成・提出が必要です。事業報告書には、前年度の事業報告書や計算書類、財産の目録、年間の役員名簿、社員名簿などを記載します。作成した事業報告書は、約5年間の保管が義務付けられています。


3年以上事業報告書を作成、提出しない場合、認証が取り消される可能性があるため注意しましょう。

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