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連結財務諸表とは?連結財務諸表を構成する書類の種類・作成手順を解説

更新日:2月26日


書類の山


連結財務諸表とは

連結財務諸表とは、支配従属関係となっている2社以上の会社からなる企業集団をひとつの組織として、親会社の立場である会社がその企業集団の財政状況や経営成績を投資家等に総合的に報告する際に作成される財務諸表のことを指します。これを構成しているのが連結貸借対照表や連結損益計算書、連結余剰金計算書、連結キャッシュフロー計算書であり、そのほか連結付属明細書も連結財務諸表の構成に使われます。連結の範囲は連結財務諸表の対象になる子会社と企業グループ全てに影響を及ぼす関連会社、及び非連結子会社が対象となります。





連結財務諸表が重視される理由

  • 不正を防止できる


連結決算によって飛ばし利益の不正操作といった不正を防止できます。


飛ばし


経営状況に悪影響を及ぼす損失や資産を一時的にグループ内の他会社に押し付けることを、飛ばしと言います。飛ばしを行うことで実態よりも財政状態や経営成績をよく見せることができます。飛ばしの対象とされるものには投資の失敗による損失、含み損を抱えた不良資産などが挙げられます。


利益の不正操作


商品などを大量にグループ内の他会社へ売却すると、利益を計上できます。経営状況を良く見せるために不正に行う行為が、利益の不正操作です。



  • 企業グループ全体の業績が把握できる


多くの企業グループでは商品について親会社が製造、子会社が販売するという役割分担がなされています。親会社では子会社に対する売上が計上されますが、企業グループとして売上による利益を計上するためにはその商品が外部に販売される必要があります。


 


連結財務諸表とは?連結財務諸表を構成する書類の種類・作成手順を解説



役所


連結財務諸表を構成する書類の種類

  • 連結貸借対照表

  • 連結損益計算書・連結包括利益計算書

  • 連結キャッシュフロー計算書

  • 連結株主資本等変動計算書

  • 連結附属明細表


 

連結貸借対照表

企業グループ全体の財務状況を表す書類です。親会社と子会社の資産・負債等を合算したうえで、内部でやり取りされている資本金や投資金等を相殺消去して作成します。

親会社の支配力が認められる会社は子会社として全部連結の方法で、親会社の影響力が認められる関連会社には持分法を適用する方法で連結が行われます。





連結損益計算書・連結包括利益計算書

一会計期間における、グループ企業全体の業績を示す書類です。

親会社・子会社それぞれの決算数値を合算し、そこから企業グループ間での取引を除外して作成します。





連結キャッシュフロー計算書

企業グループ全体の会計期間におけるキャッシュフローをまとめた書類です。会計期間におけるキャッシュフローの状況を営業活動・投資活動・財務活動ごとに区分して表示します。

連結キャッシュフロー計算書は、作り方が2パターンある点も特徴です。

連結貸借対照表・連結損益計算書と同様に各企業で作成して合算するか(原則法)、連結貸借対照表・連結損益計算書の内容を元に作成するか(間便法)のいずれかで対応しましょう。





連結株主資本等変動計算書

連結貸借対照表における純資産の部の変動について、事由を報告するものです。親会社による株式資本に関する各項目の変動事由を明らかにするために、作成されます。

株主資本に関する項目は、変動事由ごとに区分して記載します。株主資本以外の項目については同じように変動事由ごとに区分して表示するか、純額のみの表示とするかのどちらかが選択できます。





連結附属明細表

これまでに紹介した資料の補足説明に用いる書類です。

附属明細表には、3つの種類があります。


  • 社債明細表

  • 借入金等明細表

  • 資産除去債務明細表


 


ペンとドキュメント


連結財務諸表の作成手順

  1. 子会社や関連企業から連結財務諸表の作成に必要な情報を集める。

  2. 親会社の財務諸表と子会社や関連企業の財務諸表を合算する。

  3. グループ内の取引などを消去する連結調整仕訳を行う。

  4. 算定した数値をもとに各種計算書などを作成する。

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