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買掛金を管理するポイント・買掛金の仕訳での注意点を解説

更新日:2月26日


事業計画

買掛金は負債であることから資金繰りに影響を与えるため、正しく管理する必要があります。この記事では、買掛金を管理するポイントと買掛金の仕訳での注意点を解説します。

 


買掛金を管理するポイント・買掛金の仕訳での注意点を解説




 


金融サポート


買掛金を管理するポイント

買掛金の回転期間と回転率を理解する

買掛金の回転期間とは、買掛(仕入)債務回転期間とも呼ばれ、仕入れをしてから実際に支払いをするまでにどれくらいの期間が必要なのかを示す指標です。回転期間が短ければ資金繰りに余裕があることを示すため、事業の安定性を見るのに役立ちます。

回転率とは買掛(仕入)回転率のことで、買掛金の支払いがどの程度効率的にされているか示す指標です。買掛債務回転率が低ければ、仕入れを行ってから支払うまでの期間が長いと判断されるため、資金繰りに余裕があると見られるのが一般的です。買掛債務回転率が高ければ、仕入先から早期に支払いを求められていると判断されるため、資金繰りに問題があると見なされる場合もあります。



回転期間の算出方法は、下記のような計算式で求めます。


買掛債務÷仕入高(売上原価)×365=買掛債務回転期間 (日)

買掛債務÷仕入高(売上原価)×12=買掛債務回転期間(月)



回転率の算出方法は、下記の計算式を用います。


仕入高(売上原価) ÷ 買掛(仕入)債務×100=買掛債務回転率





買掛金の時効を把握しておく

買掛金は、取引先が債権の権利を行使することができることを知った時から5年、または権利を行使することができる時より10年経過した場合に時効を迎えます。これは、買掛金に定められているものではなく、民法第166条で売掛金に対して定められた消滅時効です。

ただし、5年間の間に支払い請求を受けていたり、すでに買掛金の一部を支払ったりしている場合には、支払い義務は消滅しません。





買掛金元帳で買掛金残高を確認する

買掛金元帳は、取引先ごとの買掛金を管理するための補助簿であり、仕入先元帳とも呼ばれます。総勘定元帳では買掛金の増減自体は分かりますが、どの取引先に対してどれくらいの買掛金残高が残っているかは分かりません。そのため、買掛金元帳を作成することによって、取引先ごとの残高状況把握ができ、買掛金の支払い漏れを防げます。万が一支払い漏れが生じてしまうと、取引先との信頼関係にも影響を与えてしまうので、日頃からこまめにチェックすることが重要です。


 


買掛金の仕訳での注意点

買掛金が発生した場合は貸方に記載する

商品を注文したタイミングではまだ金銭のやり取りは発生していません。そのため、仕訳は商品を注文したタイミングではなく、商品の引き渡しのタイミングで行われるという点に注意が必要です。買掛金は未払いの代金で負債となるので貸方に記載します。   

しかし、商品の引き渡しのタイミングの基準は企業ごとに異なります。商品が出荷された時点、、商品を受け取った時点、商品の検収を終えた時点のどのタイミングで仕訳を行うのか自社のルールを確認しておきましょう。





買掛金を支払った場合は借方に記載する

未納だった商品や原材料の代金を取引先からの請求書の支払期日までに支払った場合には、買掛金の消込処理を行う必要があります。買掛金発生のタイミングで貸方に記載していた買掛金を借方に記載することによって買掛金の消込処理が完了します。





返品した場合は逆仕訳が必要

納品された商品や原材料などに不備がある場合、返品処理を行います。商品を返品した場合、仕入を行った際の仕訳と借方・貸方を逆にした仕訳(逆仕訳)により、仕入取引を取り消す処理が必要です。逆仕訳の際、摘要欄に仕入を行った際の仕訳番号を記載しておけば後から確認しやすくなります。


 


買掛金の残高が合わない原因は?

計算ミス

買掛金の残高を計算する際に、複数の請求書や支払伝票などを集計する必要があります。その際に、1つでも数字を間違えたり、漏れがあったりすると、買掛金の残高が合わなくなってしまいます。



計上漏れ

月末に仕入れて翌日に計上処理する場合、計上の基準日を仕入日ではなく処理日にしてしまい、正しく計上されないことが原因で買掛金の残高が合わなくなっている可能性があります。



検収漏れ

請求書の紛失、内容の誤りによって買掛金の残高が合わない可能性も考えられるので、買掛金が合わない場合は速やかに原因を確認して対応しましょう。

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