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買掛金とは?買掛金の会計処理と仕訳方法を解説

更新日:2月26日


会計職

信用取引において発生する債務を会計処理するときに用いる勘定科目が買掛金ですが、仕訳の方法など理解しておくことが必要です。この記事では、買掛金の仕訳例と会計処理の流れを解説します。

 


買掛金とは

買掛金とは、商品を製造・販売する目的で原材料を掛取引で仕入れたり、サービスの代金を後日支払うと約束したりした場合の取引で使われる勘定科目です。いわゆるツケ払いと似た意味合いがあります。勘定科目では仕入に仕訳され、貸借対照表では貸方の負債の部のうち流動負債の部に表示されます。買掛金の勘定科目を使用してまとめて精算することで、経理業務の負担を軽減できるメリットがあります。





売掛金との違い

売掛金も掛け取引で用いる勘定科目ですが、買掛金のように仕入債務ではなく、後払いで代金を受け取る債権です。商品やサービスを販売したときの代金をその場で受け取らず、後でまとめて請求する場合に用いる勘定科目であり、貸借対照表の資産の部の流動資産に分類されます。





未払金との違い

未払金は、営業活動以外の支出をまだ支払っていないときに用いる勘定科目です。

後で支払わなければならない債務であることは買掛金と共通していますが、未払金の場合は、仕入に紐づかない一時的な債務を処理するときに使います。支払期限が1年を超える未払金は、長期未払金に分類します。


 


買掛金とは?買掛金の会計処理と仕訳方法を解説



 


データを分析する人

買掛金の会計処理

  1. 商品の注文

  2. 商品の仕入

  3. 請求書の受け取り

  4. 代金の支払い

  5. 買掛金残高の確認


 


1.商品の注文

まず取引先に対して商品を注文しますが、掛取引の場合、この時点で会計処理を行う必要はありません。理由は代金が後払いになり、商品を注文した時点では商品の引き渡しや代金の支払いが発生しないからです。





2.商品の仕入

商品の仕入が完了したら、仕入と掛取引の会計処理を行います。仕入完了のタイミングは商品が出荷された時点、商品を受け取った時点、商品の検収を終えた時点で、採用する基準は各社によって異なります。





3.請求書の受け取り

請求書を受け取った時点で会計処理を行う必要はありません。先方から請求書を受け取ったら、支払期日と支払金額を確認し、記載された期限までに掛取引で処理した未払分を支払います。しかし、いくら期限までに支払えばいいと言っても、請求書の管理を怠っていると、期限を忘れて取引先に迷惑をかけ、信用を失う恐れがあるため支払期日、支払先名とともに、取引先ごとの総支払額と支払方法の管理もしっかり行いましょう。




4.代金の支払い

買掛金として処理していた未払分を、現金または預金口座から支払います。この時、未払分を支払った時点で買掛金が消滅するため会計処理を行います。





5.買掛金残高の確認

代金の支払いが完了した後は、取引先に支払った金額と買掛金の残高に相違がないか、仕訳に誤りがないかを確認します。特に問題がなければ買掛金の会計処理は完了です。


 

買掛金の仕訳例

商品を掛取引で仕入れる場合

※取引先に10万円の商品を発注し、掛取引で仕入れた場合の仕訳方法。


掛取引で仕入れた商品が納品されたタイミングや商品の検収が完了したタイミングなどで仕入の処理を行います。掛取引では、仕入の時点では代金の支払いが完了していないため、未払い分を買掛金として処理します。


借方

貸方

仕入 100,000

買掛金 100,000





掛仕入の分を支払う場合

取引先から請求書が届き、請求書に記載されている支払期日までに仕入れた商品の代金を当座預金から支払った場合の仕訳方法は以下の通りです。


借方

貸方

買掛金 100,000

当座預金 100,000


未払い分として計上していた買掛金の支払いが完了することにより買掛金が消失するため、グラフのような会計処理を行います。





仕入れで値引きや返品が発生した場合

仕入れた商品に汚れや破損などの不具合があって、2万円分の値引きや返品を行った場合の仕訳方法は以下の通りです。


借方

貸方

買掛金 20,000

仕入 20,000


掛取引で不具合が発生した場合、買掛金から返品や値引き分が減額されるケースが多いです。仕入戻しや仕入値引などの勘定を使用しない仕訳の場合は、グラフのように買掛金と仕入を相殺します。

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