コーポレートガバナンスを強化する方法と運用の課題を解説
- FA
- 3月13日
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更新日:4月7日

コーポレートガバナンスとは
コーポレートガバナンスとは、企業の組織ぐるみの不祥事を防ぐために、社外取締役や社外監査役など、社外の管理者によって経営を監視する仕組みのことです。
株式会社の所有者である株主や、その他の利害関係者の利益を最大化するため、企業不祥事の防止と長期的な企業価値向上を目的として、社外取締役・監査役および委員会の設置、取締役と執行役の分離などを行います。
アメリカをはじめとする各国が取り組み、国際的な重要度が高まっています。
コーポレートガバナンスの必要性
コンプライアンスやCSRの考えが普及していく現代では、企業の持続的な成長や安定のためにはコーポレートガバナンスが欠かせません。コーポレートガバナンスを強化することで、ステークホルダーとの信頼感が高まり社会的信用の向上や企業価値を高まることにつながります。金融機関からの信頼も増し、資金調達がしやすくなるなどのメリットから中長期的な成長も期待できます。
コーポレートガバナンスを強化する方法と運用の課題を解説

コーポレートガバナンスの強化方法
内部統制を整備する
社外取締役・監査役および独立委員会を設置する
執行役員制度を導入する
社内規定を明確化する
内部統制を整備する
適切な情報の掲示や財務状況の報告には、内部統制が欠かせないものです。社内ルールを明確に定め、日常業務の中で違反行為などがないように、適切な監視体制を整えるなど内部統制がしっかりと機能する体制づくりを目指すことが重要です。
社外取締役・監査役および独立委員会を設置する
企業や経営陣の不正を防止するには、第三者の監視が有効的です。内部監査だけでなく社外取締役や社外監査といった、企業を外からチェックする体制を整えるようにしましょう。外部の監査体制を整えることで、不正防止だけでなく客観的に企業を評価できるようになり、社内だけでは気付きにくいリスクなどを見つけられるようになります。
執行役員制度を導入する
執行役員とは、取締役とは別に選任される業務執行の責任・権限を持つ人のことを言います。執行役員を導入することで、取締役の負担する事業運営を執行役員に任せられ取締役の負担を減らせます。経営の意思決定や社内の監督業務を強化することができ、コーポレートガバナンス強化を効率よく図ることができます。
社内規定を明確化する
コーポレートガバナンスはステークホルダーに対してだけでなく、社内に対してもその考えを周知してことが大切です。社内での判断基準を明確にし、周知徹底することで従業員一人一人の意識改革につながり、企業全体の改革にもつながっていきます。社内規定や企業理念・行動規範・倫理憲章などの明確な判断基準を作成し、社内に周知させることが大切です。

コーポレートガバナンス運用の課題
意思決定が遅くなる
仕組み作りにコストがかかる
社外取締役や社外監査役の人材が不足している
カバナンスが欠如している
ステークホルダーに依存する
意思決定が遅くなる
コーポレートガバナンスの一環として社外監査を実施するケースもあります。しかし、社外監査を実施することで経営や事業の意思決定が遅くなる可能性があります。
監査を受けいれる場合、監査に指摘されないようにコンプライアンスなどを大きく意識する必要があり、判断が慎重にならざるを得なくなる場面が増えます。例えば、決済などのプロセスを増やすことや新規事業への取り組みが難しくなることなどで、企業成長や意思決定が遅くなるケースも珍しくありません。
仕組み作りにコストがかかる
コーポレートガバナンスの仕組みづくりには、内部体制の強化や外部監査の実施などコストがかかります。取締役など監査のための増員や、部署レベルでもチェック体制を強化するために人材の補充が必要な場合もあります。また、外部監査として弁護士などを雇うとなると、その費用も発生します。
コーポレートガバナンスは、費用を掛けたからと言ってすぐに効果が見えるものでもありません。
社外取締役や社外監査役の人材が不足している
コーポレートガバナンスの強化のために、社外取締役や社外監査役を整備したくても、適切な人材がいないというケースも珍しくありません。コーポレートガバナンスのための社外取締役や社外監査役には、さまざまな専門知識や経験が必要になります。
ガバナンスが欠如している
カバナンスとは、統治や統制、またその能力のことを言い、組織が適切に管理・運営されている状態を指します。社内規定やルールがしっかりしていても、それを適切に運営・管理できていなければ、カバナンスが欠如しているとみなされてしまいます。
ステークホルダーに依存する
コーポレートガバナンスは、ステークホルダーの利益を重視しています。しかし、ステークホルダーの求めるものが必ずしも企業の成長とマッチするとは限りません。企業が中長期的な成長を目指して舵を切ろうとしても、ステークホルダーが短期的な利益を求める場合もあります。
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